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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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母なる大樹、イーファの樹。
ドワーフ達からは聖地と崇められ、召喚士達からは母なる樹と呼ばれていた。
そしてここには召喚士達の失敗した召喚獣を封印する地でもあり、普段は封印により立ち入ることすら叶わない。
が、それらの伝承は1人の者によって軽々と破壊されようとしていた。



 




一行がイーファの樹に立ち入ろうとすると、そこには大量に溢れる『霧』があった。
「ここが『霧』の源って話、どうやら本当らしいな」
ジタンはそう言うと、前へと歩いていく。が、何かにはじかれてしまった。
「どわっ! 何だ…今のは」
「今のが封印なの。 怪我はないと思うんだけど…大丈夫?」
「そうだな。 痛みは全然なかったよ。 でも、エーコもこれを解くことができるんだよな…?」
ジタンの言葉に少々戸惑うエーコ。
「う…うん。 召喚獣に『戻ってきて』ってお願いするの。 召喚士は頭にある角で召喚獣や動物達と気持ちを交わす事が出来るの」
「それで、シガンはそれをどうやって解くんだよ」
その言葉にシガンは「フレイア」と呼ぶ。
「あれを出せ」
「もう出してるよ。 はい」
シガンに言われてフレイアは素直にそれを出した。
それは何かの結晶らしく、黄金に光っている。
フレイアの小さな手から黄金色の結晶は離れ、封印の中へと吸い込まれた。
そして光り輝いた後、誰かが出現した。
それは女性だった。黄金色のショートヘアーに黄金色の瞳。手は人間と思えない…鳥の鉤爪のような手をしており、腕からは小さな翼が生えている。さらには頭と腰に大きな装飾品をつけている。
そんな女性にシガンは微笑み、何か話し始めた。女性もそれに反応して笑顔で話し始める。
だが、その言葉が良く分からない。聞いたこともない言語だ。
「一体何を話してるんだ…」
ジタンの問いにフレイアは「隠語だよ」と微笑んで言う。
「隠語…?」
「隠語ってどういうものなの? 聞いているだけで理解が出来ないわ」
「頭痛くなるから深い意味を考えない方がいいよ、ダガーさん。 あれはね、自分と相手が話している情報を聞かれないようにする為のものなの。 だから意味とか考えない方が身のためだよ」
「って、フレイアは言葉の意味が分かるのか?」
「分かるわけないよ。 だっておじさんと…―」
言いかけて己の口を塞ぐフレイア。
「おじさんと…何だ? あの女の人は誰なんだ?」
「言わない…」
「誰かも言えないのか?」
ジタンはフレイアを睨みつける。
それを見て、ダガーはフレイアをフォローする。
「だめよ、ジタン。 言えないものは言えないんだから。 それに後から教えてもらえるかもしれないし」
「う…うん…そういうこと!」
「何を話しているんだ、お前達は」
隠語での話し合いが終わったのか、シガンが呆れ顔で全員を見渡していた。
「シガン、封印は解けたのか?」
「ああ。 解いてもらった」
「あの女の人に解いてもらったって事?」
「そういうことだ。 行くぞ」
そう言い、シガンは歩いていこうとするが、後ろからジタンが声をかけてくる。
「おいおい、あの女性は―」
刹那、しつこいジタンに対し、ダガーはぶち切れ寸前なのか、甲高い声で「ジタン!!」と叫んだ。
二名の少女と一名の女性が睨みつけられ、ジタンは観念したのか「わ…分かったよ…」と呟いた。
こうして神地へと足を踏み入れていく一行。
木の根がまるで道路のようになっており、やがて空洞に入って奥に入っていった。
下へ下へと降りていく道。その奥には何か魔法陣らしきものがあった。
「こいつは…驚いたな。 一体誰がこんなものを作ったんだ?」
そう。奥に行けば行くほど人工的に手を付けた部分が所々にあったのだ。
後ろを振り向くと、エーコがビビをエスコートしている所だった。
(…普通逆だろうに…)
溜息をつきながらも、ジタンはエーコに「エーコ、ここはどういうところなんだ?」と問いかけた。
「うーん…エーコも封印の中に入ったの初めてで、何も知らないの」
「そうか…。 ということはあの女性が…ってこともないのか、シガン」
恐る恐る、先程の女性の事をジタンは発言した。
それに対し、シガンは冷静に話す。
「あの人もこの建造物は知らないとは言っていたな」
「そうか…」
そう言い、ジタンは中央の部分に手でつつくと、突然光り出した。
それを見て全員驚愕する。
「こいつは…フレイアはどう思う?」
「私だったら乗ってみる…。 でも変なトラップがあるかも分からないから…これは賭けだよ」
「そうか…。 よし、試してみるか!」
先程のフレイアの「トラップ」という言葉に不安になるダガー。
それを見てジタンは「大丈夫だって! 俺に任せときな!」と自信を持って発言をする。
そしてその場所に乗ると、その部分だけ突然下に沈んでいった。
ジタンは慌てて魔法陣外に出ると、それはすっと戻ってきた。
シガンは地面に膝をつけて座り込み、魔法陣に手を触れて目を瞑る。
そして目を開けて立ち上がった。
「大丈夫だ。 かなり古い構造だが立派に動く。 次は全員で乗っても大丈夫だろう」
「…よし、皆でいこう」

先程までは枯れきった場所だったが、何かが発行している場所へと辿り着いた。
「下のほうは眩しくて見えないな…。 あの底まで降りれれば良いのか?」
「らしいな。 今度はあの葉に乗るらしい」
シガンに言われ、ジタンは目をこしらえて見ると、なにやら下の方に葉のような黄緑色の物体が見える。
「ああ、あれならエーコが乗っても動かなかったけど…」
「ってことはさっきみたいに…」
恐る恐る、全員で乗ってみるとその葉のような物体は動き出す。
そしてその葉は根に沿って下へ下へと螺旋状に降りていく。
「動いた瞬間は驚いたけど、風の抵抗とか全くないんだな」
ジタンが呟いた刹那、どさりと一人倒れてしまった。
フレイアだ。
「フレイア!!」
小さい身体をシガンが抱く。なにやら苦しそうだが。
「命に別状はないが、異様な苦しみようだ…この下に何かあるらしい」
その言葉にエーコが反応し「そうだ! モグなら何か分かるかも!」と懐からモグを呼び出す。
「このイーファの樹の中でモグは何か感じる?」
エーコの言葉にモグは「クポクポ!」と何かを表現し始めた。
「そうかぁ…ありがと!」
そしてモグはエーコの懐へと戻っていった。
「で、モグは何て言ってたんだ?」
「んとね、下の方に沢山の生物の存在を感じるって。 モグ達って妖精でしょ? そういうの、肌で感じるんだけど…ここは特別ではっきり分かるって」
「それだな、フレイアが倒れた原因は」
冷静にシガンが言い、ジタンは「…どういうことだ?」と問いかける。
「フレイアも妖精の血を特別にひいている。 さらにはモーグリーよりも優れており、生物の生命でさえもその言葉を理解できるほどだ。 おそらく、それが凄まじくて処理が出来なく 倒れてしまったのだろうな」
「お前は大丈夫なのか?」とジタンは聞き、シガンは「私は大丈夫だ」と冷静な返答をする。
「ということはクジャはここには…」
「いない可能性が高いかもしれない。 でも…一体クジャと『霧』にどんな繋がりがあるんだ?」
ジタンが考え始めた刹那、エーコが「何か来るわ!」と叫ぶ。
ひゅん、と何かが上空を通り過ぎた。
それはエイのような姿をしており、見下ろしている。
魔物に反応したジタン達だったが、シガンが冷静に冷酷に「全員、動くな!」と叫ぶ。
「なんでだよ! 皆で戦えば」
「これに穴を開けてもらっては困る。 それに私達の足場がとても小さい。 いつもの戦い方では無理だ」
「じゃあどうすればいいんだ?」
「こういうときは魔法使いが前衛で戦う。 後のものは援護か見ていれば良い」
「見ていろって…」
「私とエーコが回復、そしてビビとシガンが魔法で攻撃…ということですか?」
「そういうことだ。 それと、ここでは召喚は使うな。 スペースがあまりにも足りない。 この空間に穴を開けただけで大惨事になる」
「分かりました。 エーコ、やりましょう」
「うん! ビビ、頑張ってよね!」
後ろからの応援に、ビビはびくりとさせて、詠唱に入った。

ひゅんと、無残にも凍らせて落ちていく魔物たち。
それらを見つめながら、エーコは呟いた。
「このイーファの樹の中って外ではあんまり見かけないモンスターが多いみたい」
「もしかして、これも『霧』の影響?」
ダガーの不安げそうな声に対し、ジタンは考えながら口を開いた。
「分からないが、魔の森やガルガン・ルーも同じように霧特有の魔物がいた」
「でも、『霧』が生まれてくるのがイーファの樹なら、どうしてジタン達の大陸の方にだけ出てくるの?」
「確かになぁ…。 『霧』を運ぶ何らかの方法が必要だよな…」
考えふけるジタン。だが、もう1人考え込んでいる者がいた。
ビビだ。
ビビは考えながらも堅い口を開く。
「実は…『霧』について僕も考えてたんだ。 ジタンはダリ村にあった、あの工場の事を覚えてる?」
「ああ、あの工場の事か」
「あの工場にも『霧』がいっぱいあったよね。 きっと何か関係があると思うんだ。 『霧』とクジャと…黒魔道士…」
その言葉にエーコが反応する。
「黒魔道士??」
「ビビのような姿をしたものを増産したものが黒魔道士だ」
ビビの心を抉るようなシガンの発言に、ジタンは怒り「シガン!!」と叫ぶ。
「本当のことだ。 何を戸惑うことがある。 だからこそ、お前は甘い男なのだ」
「なにを!!」
ビビは戸惑いながらも「駄目だよ、ジタン!」と止めに入る。
「僕はもう気にしてないから…!」
「ビビ…お前…」

一部始終を見ていたエーコは「な…なんだか複雑なのね…」と戸惑いながら言うのであった。

どれぐらいの時が経ったのか。
ようやく底が見えてきた。
「随分と深かったわねぇ~」
こうして乗り物が止まり、エーコは真っ先に飛び降りるとビビに対し「ちゃんとついて来るの!」と胸を張る。
「ねぇ、ジタン。 モグの言ってた『沢山の生物』なんて何処にも見えないわ」
「けど、ダガーも感じてるんじゃないか? ここまで来ればモグでなくとも分かる気配がある」
「そうね…。 確かに、ここには何かあるんだわ…。 あれ? シガンさんは?」
「下に行ったようだな」とジタンは下にいるシガンを見つめる。
先程倒れたフレイアを抱きながら機械のような植物のようなものに触れている。
「とても昔からここにあったみたい。 それも百年や二百年ではすまないくらい…」
「だな。 確かに植物がこうなっているのはおかしい…」
不思議な空間に吸い込まれそうなジタン。
下の方に光る水が見える。
エーコの隣にモグがいるが、何故だか震えていた。
再び機械のような植物のような物体にジタンが触れた刹那。
がたりと、それが動いた。
「!!!」
「全員その場に伏せろ!!」
シガンの弾丸のような声がその場に響く。
刹那、どぉんとする音と共にぐらりとその場が揺れる。
そして突然目の前に見たこともない魔物が出てきた。
それは先程の植物のような機械…の先端。
それが先に立ち、1本の樹のような物質になった。
『クジャではなかったか』
低いひしゃげた声が頭の中で響く。
「今、クジャと言ったな…。 奴は何処にいるんだ!」
『我の与り知らぬ事』
「『霧』を生産しているのはお前か?」
シガンの冷静な声に、それは答える。
『生産ではない。 『霧』は生成における余物。 根を通し廃棄する塵に等しき物』
「大陸を超える根を通じて『霧』を送り込んでいたのね!」
「一体何のためだ! 何故そんな手の掛かることをしてまで!」
『訳を話してやろう。 闘争本能を刺激する『霧』によって、ヒトの大陸を廃棄物で包み…ヒトの大陸の支配者を争わせ、ヒトの大陸の文明を滅ぼす為。 クジャは廃棄物を別の手段で利用したに過ぎない。 クジャは塵を利用して兵器を作った』
そう、お前のような と魔物はビビを見る。
『クジャはそれを『黒魔道士』と名付けた。 『霧』で造られた暗黒の生命体』
「じゃあ、ダリ村の工場はやっぱり…」
ダガーは魔物を睨みつける。
魔物は冷静にその場にいる者の頭の中に声を響かせる。
『我を倒せば『霧』が止まる。 それは即ち、底の人形の如き平気が生まれぬ事を意味する。 答えよ人形…お前は自らの出生を否定するのか?』
「…造らせないよ」
「…ビビ」
顔を上げながら決心するビビを心配しながらダガーは見つめる。
「これ以上人殺しの道具なんて造らせない! 造らせちゃいけないんだ!!」
その決意に後ろからエーコが「よっくぞ言ったわ、ビビ! 何だか難しい話だけど、コイツはやっつけちゃっていいのね!?」と愛用の笛を握り締めて戦闘態勢をとる。
「ああ!」とジタンが言った刹那。
「待て」とシガンが止めに入る。
「なんだよ! こんな時に!」
「…どうやら戦闘したくて仕方がない先客がいるようだ…」
珍しく汗をたらりと流して、シガンは苦笑しながら抱いているフレイアを見た。
先程まで苦しがっていたフレイアだが、体中からなにやら沸騰するかのように煙が出ている。
そしてフレイアの瞳が見開き、魔物を睨みつける。
ぼひゅ、という火炎放射の音のようなしたのと同時にフレイアは空を飛んだ。
それはフレイアというより、火の鳥…にしては小鳥のような小ささで。
頭には蝶のような黄色の触角が生えており、腹部には爪のようなものがついている。
それは勘高く嘶きながら魔物を…否、標的を睨みつける。
『許さない! 皆をこんな風にして滅茶苦茶にして! 一瞬であんたなんか消してやる!!』
完全にきれてしまったのか、火の小鳥と化したフレイアは手を…というより翼を上に掲げだした。
そこに巨大な火の玉が出来上がり、それを魔物にめがけて飛ばした。
まるで伝説にある魔法…メテオと同じだ。
『ふん、こんなものなど…我が体内に吸収して―』と、魔物は自信満々でそれを吸収し始めた。
が、すぐさま魔物は『…な…これは…』と驚愕する。

「何が起こったんだ? あいつ、あれを吸収できるんだろ?」
少し遠くからその光景を見ていたジタンは魔物の言葉に疑問を持つ。
「出来る筈ないだろう」と、シガンは溜息をつきながら言った。
「どうしてそう言い切れるんだ?」
「魔物はあれを炎だと考えている筈だ。 フレイアの体内から出たのは炎だからな。 それを見ての行動だろう。 だが…あれは残念ながら光で構成されている」
「光…? でも、それだったら…」
「光は炎を生むことが可能だ。 だが、光が乱反射を魔物の体内でするとしたら…?」
「大火災…ということか」
考えていたとおりに、それを受け止めきれずに燃え上がる魔物を見てジタンはそう呟いた。
満足そうに見つめるフレイア。
だが、かなりやりすぎたようで。
その場所が少しずつだが崩れ始めている。同時に周囲は大きく揺れ始めた。
「ヤバイな…。 行こう! 脱出だ!」

 

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