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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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聖地というのは特定の宗派、信仰者にとっての本拠地や拠点となる寺院や教会や神殿のあるところ、またはその宗教の創始者に纏わる重要なところ、あるいは霊や魔や魂の集まるところともされている。
大体そういったところに巡礼するのが主なのだが・・・このコンデヤ・パタはそうではなさそうである。

聖地とは誰が云い始めたのか。
そして聖地とはいったい何か。

 


コンデヤ・パタに戻ってきた一行。
「そういえば聖地にいくにはどうすればいいのか分かるのか?」
ジタンの素朴な疑問にシガンはこくりと頷いた。
「分かる。まぁ聞いただけの知識だがな。『神前の儀』というものを受けなければ聖地への道をあけてくれないらしい」
「『シンゼンのギ』ってなんだ?」
「それはまだ私にも分からない。 天守のカツミという神主が詳細を知っているらしい」
「そこまで分かってるのに何で聖地に行かないんだ?」
「それよりも黒魔道士という種族に興味を持った。それだけだ」
「で、今はお姉ちゃんが調子悪くなった『霧』を徹底的に調べるためだけにいくってこと?」
フレイアはイライラして膨れっ面をしながら言った。
「・・・そこまでフレアがいいのならお前だけでも行けばいい」
「いやだ。いくならおじさんも無理やり引き摺ってでも連れて行くから」
ぷいっと後ろを向くフレイア。 シガンはただただ溜息をつく。

そんな二人にお構い無しにジタンは神主をすでに発見していた。
「おい、あんた。・・・もしかして神主さん?」
「いかにも。ワシが神主の天守のカツミだド」
「・・・何でこんなところでうろうろとしているんだ・・・?」
そう。 神主はずっと同じ所に留まっていたのだ。
そこをずっとうろついているということは、何の目的もないということが目に見える。
そんなジタンに対し「色々と神主は悩み事が多いのだド」と躊躇う神主。
「まぁ、それはいいとして『シンゼンのギ』ってどんなことをやるんだ?」
「一人の男と一人の女が神に祝福され夫婦になり、聖地を臨む巡礼の旅に出るために執り行う聖なる儀式だド」
「まぁ結婚式と新婚旅行ということか」
「・・・?? お前の言っている『ケッコンシキ』というのはどういうものかは分らんドも、多分そんな感じだド」
「じゃあその儀式を受ければこの村の先の聖地へ進めるって事?」
とダガーが話に入ってきた。
「らしいな。 と、そういう訳なんだけどさ・・・どうする? 結婚する?」
「私は-」
どうするかダガーが迷っている最中に未だに脹れっ面なフレイアとそれを引き摺るシガンがきた。
「どうだ? 聖地に行くためにはどうすれば良いのか分かったか?」
「ああ、それなんだけどさ・・・」
と儀式のことをジタン言おうとした刹那。
「私、シガンさんと儀式を受けるわ」
とダガーがはっきりと言った。
何が何だかわからないシガンは「・・・は?」というしかない。
それをみてカツミは興奮気味に「お前達、夫婦になるド!?」とシガンをさらに追い詰める言葉をさらりというもので、
「夫婦・・・だと?」とシガンは目の前がくらりと揺らいだ。
「本来はドワーフ族だけが許される儀式だドも、実は最近トンと夫婦になる者がおらんで99組で止まってしまっているのだド。・・・この際構わんド、100回記念『神前の儀』を執り行うド!」
だんだん話が大きくなってきてジタンは「どういうことなの・・・?」とうろたえるばかり。
そんなジタンに対し「じゃあ私とジタンで儀式やっちゃおう」とフレイアが言ってきた。
「え・・・は・・・?」
ジタンはあまりの展開の早さと展開が恐ろしい方向にいっていることにについていけないまま、神前の儀へと臨む事になってしまった。

------

「山樹におわします、八百万の神々と 陽の元光と共にこの者ド二人の旅立つこの地に・・・」
と詠唱のような言葉を天守のカツミがいっていたのだが、ジタンはその言葉すら聞いておらず、
(どうしてこうなったんだっけ・・・。たしかこの村の向こうに進むためには儀式を受けなきゃいけなくて・・・儀式を受けるのは男女二人で・・・)
と先程のやり取りを頭の中でぐるぐると思い出してみた。


* * * * * *
「待て・・・何が何だか全く分からないのだが・・・」
「おじさん、結婚だよ 結婚」
「け・・・」
本当は「結婚」とはっきりと言いたかったのだろうが、その言葉すら言えないほど絶句していた。
「でもやらないと先に進めないでしょ?」
「だからといってなんでこいつなんだ!」「だからといって何故この私なのだ!」
二人の男ははもりながらもそう言う。
「まぁおじさんはカッコいいからね、仕方ないよね」
「お前はビビと結婚でもすればいいんじゃないか? なんで俺が・・・」
「こんな姿恰好でも中身はれっきとした大人だよ、ジタン。それすらも分からない?」
その小さな子供のような中身は何千年も生きているといった真実を もしジタンが知ったらどんな顔をするのだろうか・・・。
「わかったよ・・・わかりましたよ・・・」
とジタンがあきらめる。
「では始めましょう、シガンさん」
といい、二人は出て行ってしまった。
まだ戸惑っているシガンを引き摺って。

* * * * * *

そんなことを思い出しながら・・・ちらりと隣を見た。
(そりゃあ・・・この先に進むためだろうけどさ・・・)
小さなフレイアはぴくりと耳を動かして、なにやらご機嫌な顔をしている。
(二人の女になんだかすり潰された・・・というか・・・)
はぁ と少し溜息をついた。
(この際色々と聞いてみるのもいいかもしれないな・・・例えば・・・)

そんなこんなで儀式は無事に終わりを告げる。

「なぁ、フレイア。 お前たちがいうガーディアンフォースってなんなんだ?」
「ああ・・・守護神という意味だよ」
「守護神? 幻獣と何が違うんだ?」
「それ聞くならおじさんに聞いてね」
「なんで?」
「めんどくさいもん。おじさんなら・・・『いつか教える』というだけだけども」
それを「誤魔化す」ということなのだが・・・。
だが、もっと質問をしようとする前にフレイアは先に歩いて行ってしまった。


------
シガンとダガーも儀式が終わりそうになっていた。
とりあえず落ち着いたのか、シガンは密やかに色々と思い出していた。
(・・・結婚か。 もはややることもないと思ってたが・・・)
そう頭の中で呟き、亡き妻のシャシェを想った。

それはまだ『再生』が終わった世界でのこと。
光のエルフであったシャシェに一目惚れし無理やり連れ出し、その挙句結婚をした。
その時に光のエルフの一族に「シャシェを返せ」とも言われたが、帰すことはしなかった。
それどころかシャシェも「実は私も一目惚れでついてきた」と言い始めてしまい、結局シャシェは光のエルフたちに勘当され、二度と帰ることができなくなってしまった。
その時私はひどく落ち込んでしまったがシャシェはにこりと微笑み「私、あのエルフ族だけは大嫌いだったからいいのよ」となんだか慰めのような言葉をいっていたが・・・結局本当の所どうなのかさえもいうこともなく亡くなってしまった。

(そうして生まれてきたのが・・・あの子だ)
フレアのことを思い出した途端に 儀式は終わっていた。


「あの・・・聞きたいことがあるのですが」
「何だ? 妻子持ちに無理やり結婚させておき、感謝の言葉もないのか?」
「それはそれとしてありがとうございます。 ただ・・・リーズさんのことと貴方達のことで・・・」
「それは時がこればこちらから言い渡す。 だが、お前が聞きたいのはそれではないだろう?」
「・・・ええ」
「リーズは私にとっては数少ない識者だ。それ以外の何者でもない」
「でも・・・バッシュさんは・・・」
「ヴァシカルのことも知ってしまってたのか・・・全くあいつらと来たら・・・」
「別に私は誰にも言いませんけど・・・」
「いや・・・それでも時がこればこちらから伝える。 今はフレアのためにも『霧』の解明をしたい。 それではいけないか?」
「いえ、大丈夫です」
「今は一つの目的として動こう。 外でジタンとフレイアが待ってる。 行くぞ」
とシガンは先に歩いて行った。
ダガーはそんな色々と謎が深まるシガンの後姿を追いかけた。

* * * * * *

 さて、いろいろあった挙句なんとか無事に神前の儀が終わるとあるドワーフが「関所にいる双子のドワーフ等の皆にも挨拶して来いだド」といい始めた。
「まだやることがあるのか?」と少しだけいらついているのかシガンがぶっきらぼうにいう。
「挨拶回りも仕来りの内だド」
「まぁまぁ、それでは新婚一行様の挨拶回りと行きますか」
「この村にいる間だけだよ、ジタン」
「分かってるよ!」
と4人でわいわいしていると・・・ジタンにビビがつんつんしてきた。
「ねぇ、ジタン。僕らはどうすればいいの?」
「ん? お前ら、俺たちの新婚旅行の邪魔をする気か?」
「ま・・・まさか置いていく気アルか!?」
「まぁまぁ、分かってるよ・・・。 うーん、とりあえず お前らもその儀式を受けちまえばいいんじゃないのか?」
「えっ!?」
無理やりすぎる注文に「うん、それがいい!」と自画自賛し、
「その間に俺たちは挨拶に行ってくるからな! じゃあな!」
と4人とも歩いていってしまったではないか。

呆然とする二人だが・・・その提案はすぐに現実になる。

* * * * * *

思わず見つめ合うビビとクイナ。
天守のカツミが儀式の言葉を行っていてもただただ無言。
だがクイナは一言だけ口を開いた。
「・・・ワタシ・・・幸せアルよ」
その言葉にびくりと震え上がりながらも「・・・ぼ・・・僕も・・・」と反射的に行った。
じりじりと近寄るクイナに退くビビ。
ある意味ビビが大ピンチの刹那。

大きな声が響き渡った。

「ドロボー!!」

* * * * * *

一方、無理やりな注文をした4人は挨拶回りをし、聖地への道の入り口であるところまでいっていた。
「じゃあ、旅立つとしますか」
とジタンが張り切った刹那。
「ドロボー!」という大きな声が聞こえた。
シガンが振り返ると、そこに小さな女の子とモーグリが走ってきた。
その小さな女の子はフレイア程の小ささで、角が生えている。
その女の子はそれまた小さなモーグリに対し、大声で叫ぶ。
「モグ、早く!」
「クポ~!!」
そんな二人にその場にいた全員が固まり、聖地への入り口の番をしていた二人は正気に戻り「待つだド!」と言っている。
「逃げられてしまったド・・・」
「この先には行けねぇ掟だド・・・」
「この先って人が住んでんのか?」とジタンは番人に言った。
「そんな筈はねぇだド・・・あそこには人一人いない筈・・・」
「それを言える根拠は・・・聖地だからか?」
「うーん・・・それもあるけドも・・・。 あのちっこい二人組は何回か食べ物盗みに来ているだド」
「次こそは捕まえてみせるド」
「そうだド。 その勢いだド」
と番人の二人はお互い励ましあっている。なんというプラス思考。

そこに儀式を終えたビビとクイナがやって来た。
「お、儀式は済ませてきたのか?」
「う、うん・・・」
「ワタシのいるところで食べ物盗むとはいい度胸アルよ!」と言い、クイナはひた走って行ってしまったではないか。
「お・・・おい!!」
「さて、先に行くぞ」
「お先にね、ジタン」
とシガンとフレイアも歩いていってしまった。
「早く行きましょう」
「う・・・うん」
とジタン以外は全員ジタンを無視して歩いていった。
「なにこの冷たい面子・・・」

こうして、山道を進んでいく一行だが、そこには先程の女の子だけが崖から伸びている根に引っ掛かっていただけだった。
その女の子は小さく溜息をつく。
「こんな所に引っ掛かって、信じていたモグにも裏切られ、ここでさびしく死んでいくのだわ・・・。モグめ~・・・死んだら絶対化けて出てきてやるんだから!」
と先程の態度とは裏腹に因縁までつけ始めた。
そんな態度をしている女の子を一向は見つめていた。
それに気づいた女の子はごしごしと目をこすり、
「ああ、幻かしら・・・角のない人まで見える・・・。しかも尻尾まで生えて・・・」
「誤魔化そうとしても無駄だぞ」
冗談でももう少し空気を読んで欲しかったがシガンが冷徹にいった。
「キャー!!駄目よ駄目!!私なんて食べたって美味しくないわきっと!!」
と女の子は興奮したのか手足をばたばたさせた刹那。
安定的に女の子を支えていた根がぽきりと折れた。
その女の子を受け止めて抱きかかえたシガン。 そして丁寧に女の子の足を地面につけた。
「あ・・・ありがとう」
「・・・。 ふん、いくぞ」と行こうとするシガンの顔をフレイアが覗き見て、ニンマリとした。
「なんだ、フレイア」
「ううん、なんでもない」
そう言い、くるりとジタンの方向を向いて「大丈夫だよ、ジタン。恥ずかしくて赤くなっているだけ」
「フレイア・・・!」
本当に赤くなっているのか、いつもの白い肌も少し赤みが出ている。
それを見ていた女の子はジタンの服を引っ張る。
「あの人、シガンっていうの?」
「あ、ああ・・・。 で、君は大丈夫?」
「・・・大丈夫」
「怪我はない?」
「大丈夫ったら大丈夫なの! そこの青い服着た子と耳がとんがっている赤い子みたいな子供じゃないんだからね!」
その言葉にフレイアはぶちんと切れる。
「ちょっと! ちっちゃいアンタとか弱い私と一緒にしないでよ!!」
「失礼しちゃうわ! 私にはエーコっていう可愛らしい名前があるんだから!」
「こっちだって、フレイアっていう美しい名があるんだからね!!」
小さい同士何を言っているのか、と この言い合いを見ながらシガンは思った。
「キーキー言っているところ悪いが・・・そのエーコさんは何で盗みなんて働いたんだ?」
ジタンの言葉にはた、とエーコの体がストップする。 そして手をお腹に当てて・・・「お腹・・・すいてたの」と言った。
「はは、そりゃまた立派な理由だ。 まるでクイナのような・・・あれ? クイナは?」
先ほどから見かけなくなっていたクイナを探してきょろきょろするジタン。
「先に行っちゃったみたい。 何かを追いかけてたみたいだけど・・・」
「さっき私の友人のモーグリーを追いかけて行っちゃったの。 ・・・どうしよう、食べられちゃう」
「まさかクイナもモーグリーは食べないと思うけど・・・。 エーコの家はこの先なの?」
「うん、ずっと向こう。 たぶんモグは先に帰っちゃったと思う」
「ねぇ、この子を家まで送りましょ。 シガンさん」
未だに恥ずかしがっていて何もいえなかったシガンにダガーは振り、シガンは体をびくりとさせた。
そして溜息。
「仕方・・・ないな・・・」

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