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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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どしんどしん、とガルガント達はジタン達を乗せて洞窟内を走行していた。
「なぁ、フレイア。 なんでお前から見たら、フレアの親父さんが「おじさん」になるんだ?」
「うーん…。それはね…」
「うんうん」
「乙女のひ・み・つ!」
にこりと微笑むフレイアに対し、がくりと肩を落とすジタンだった。
「それよりもほらほら、出口見えてきたよ!」
少女が指差す先にはきらりと陽の光がさしていた。

その先は、思った通り外側の大陸であった。
辺りは「霧」が一切無く、遠くの方まで見通しの利く場所である。
「未開の地に来たわけだが…やっぱりここらにも住んでいる奴らはいるのか?」
「いるよ~。もうちょっと歩いていくとドワーフさん達が住んでいる村に辿り着くんだ。
そこにおじさんもいるから、まずはそこに向かおう」

ドワーフ達の住む山吹く里、コンデヤ・パタ。
のんびりとしたドワーフ達が暮らしている静かな村だ。
この村には若者が契りを交わすための祭壇があるという。

「こんなところまで来たけど、全然”霧”が出てないんだね…」
「それに…何だか変わった形の…村なのか、これ?」
「神殿か何かのようにも見えるけど…」
「おじさんが調べた所によるとずっと昔、ここは遺跡だったみたいで、そこにドワーフさん達が住み着いて今に至るみたいだよ?」
「建物も美味しそうな形アルからきっと美味しい物だらけアルよ!」
そう言い、クイナは食物を求めて村の中へと入っていってしまった。
「全く…あいつの頭の中にゃ、食い物の事しかないのかね」
「ジタンは女の子の事しか頭にないけどね!」
むっつりな顔つきで何やら怒った風にダガーも村の中へと入っていく。
「そう、その通りっ!このオレの頭の中はダガー、君の事で…!」
目の前にいるかと思いきや、ふとジタンが後ろを振り向くとダガーはもはや村の中に入って行った後。
ただただ、白けた瞳で見つめるビビとフレイアしかいなかった。
「…本日も進展無し、と…」


村に入ると、たくさんの陽気なドワーフ達が出迎えてくれた。
いや、寧ろ…。
「ラリホッ!」「ラリホッ!」
「な、何だぁ? こいつらは…?」
「ラ、ラリホ…?」
「ら、らりほ?」
ダガーとビビが面食らったまま言葉に答えると、村の中に案内された。
そう。ジタンとフレイアを残して。
「ちょ、ちょっと待てよ…!」
呆然としていたジタンだが、連れ去られそうな二人に驚愕してそのドワーフを止めようとした。
が、横からこそりとフレアが言う。
「ラリホは聖なる挨拶だから言わないといけないのがこのドワーフの里、コンデヤ・パタの掟なんだからにこりと微笑みながらジタンも言おう。ラリホッ!」
「…ラリホ…」
「むー、ジタン微笑んでない!」
「ら…ラリーホ!」
無理やりにぱりと微笑み、挨拶をするジタン。
「ラリホッ! 通ってええド!」
「ラリホッ!」

もう二度と、こんな恥ずかしいことはしないと自ら決意をしたジタンであった。

さて、先に村に入ったビビはというと。
「何だか…変わった人達だったなあ…」
とはいいつつも、結構なじんでいたようにも見えたのだが…。
ふと道具屋に辿り着いたビビはひょこりと品物を見てみる。
「あんれま!こりゃまためんこいのが…今日はお使いにでも来たドか?」
「あ、あの…」
「まあゆっくりしていっておくれだド」
(…この村の人って、ボクを見ても驚かないんだな…。
でもなんでだろう…「今日は」とか…まるで前に僕を見ていたような態度とか…)


* * * *
ダガーとフレイアは井戸端会議をしている奥様方のところにいた。

「そろそろウチのデンエモンも、嫁を貰わねばな」
「お前んとこのデンエモンじゃ誰も嫁には来てはくんねえドも。
何なら、ほれそこの客人なんてどうだド?」
「ん~~、なかなかの器量よしかもしんねえドもなあ……」
「あの…この辺に…」
「ちょっと聞きたいんだけど…」
「こんなにひょろっちい嫁じゃ『聖地』に旅立つ事も出来ねード。」
「んだド、んだド」
「誰もお嫁に来るなんて言ってません!! …ん?『聖地』?」
横にいるフレイアをじっと見るダガー。
「『聖地』っていうのはね、おじさんが調査したがっていた方角なんだけど…。そんなことよりも! シガンおじさんが何処に行ったか分からないの?奥様たち」
「んだなぁ。恐らくは…」


* * * *


ジタンが村を歩いているとビビが村人に取り囲まれていた
「どうした、ビビ?」
「あ、ジタン。この人達が…」

「この前貰った鳥の丸焼きは美味かったド!どうやったらあんなに上手く焼けるドか?得意の魔法で焼くドか?」
「それとこの前交換で貰った木の実もなかなか美味かったド! でも、何で今日はお前みたいなめんこいもんがやって来たドか?」
「…ビビの知り合いか?」
「ボクこんなとこ、来た事なんてないし…」
「そりゃそうだよなぁ…」
だが、それもすぐさま明らかとなった。

「あ、黒いおっちゃんじゃねードか!ラリホッ! 今日はまた珍しいもん売りに来たドか?」

そこに現れたのはとんがり帽子を被った…。
ビビとそっくりで、以前ジタンも見たことのある…。
「「!?」」
「いつもええ売り物持ってきてくれてありがとだド」
「……」
「おい、お前…」
ジタンが話しかけて、驚いたのか ぴゅーんと走り去っていってしまった。
「ま、待って!!」
「待てよ、ビビ!」
走っていったが、ダガーとフレイアに鉢合わせする。
「どうしたの、ジタン?」
「オレには何が何やら…。とにかく今はビビを追わないと!」

村の入口ではまた転んでいたビビを発見した。
「ビビ、さっきの黒魔道士は?」
「村の外に逃げて行っちゃった…」
「そうか…。いったい何処からやって来たんだ?まさかブラネ女王の軍が…?」

「お前達、クロマ族と知り合いドか?」
「クロマ族…?」
フレイアはきょとんとした顔で声をかけてきたドワーフを見つめる。
「そうだド、クロマ族達はよく南東の森から、物を交換しに来るド。ちなみにシガンというエルフもそこに行ったらしいド」
「この辺りに住んでいるってのか!?しかも…族って事は、何人も?」
「そうだドも。南東の森は、崖をぐるッと回り道して、東の方に行ってから入らねばなんねド。聞いた話によると『ふくろうの住む森のふくろうも住まぬほど奥深く』らしいド」
「どういう事だ…?」
「ねえ、ジタン。ボク、その南東の森に…行ってみる」
ビビがくいくいとジタンの服を引っ張りながら言った。
「わたしは構わないわ。何か手掛かりが得られるかもしれないし…」
「また新しい食べ物が食べられるなら、何処でもいいアルよ」
なんだかよく分からない理由でクイナも南東の森に行くのに賛成した。
「よし、南東の森に向かおう」
全員の賛成を得たジタンは南東にある「ふくろうが住まない森」へと歩いていった。

* * * * * *

南東の森には無数のふくろうが佇んでいた。
「可愛いなぁ~」
きらきらした瞳でふくろうを見つめるフレイア。
「おいおい、フレイア。『ふくろうも住まぬほど奥深く』に行かないといけないんだぜ?」
「はいはい、分かってるよ~」
「でも、結局どっちに行けば良いのかしら…」
「『ふくろうも住まない』というのなら、ふくろうが居ない方向へずっと行けば良いと思うんだ。ここのトラップは結構特殊なようだね。ヒントがないと一瞬で迷う「迷いの森」みたいなものになってるみたい」
「そこまで分かるのか…。哲学的だな」
「だって此処のトラップ、私たちが住んでいる「霧の森」と殆ど同じ性質だもん」
「「霧の森」??」
「エルフだって元々は人間達に見られてしまっては困る種族。だからこそ、森にひっそりと住んでその森にトラップをかけるの」
「へー」
そう言いながら一行は歩いていった。

ふくろうが1匹も居なくなった空間。
やせ細った木々が多いその空間にぽつりと黒魔道士が立っていた。
その空間は捻じ曲がり、その捻じ曲がった所から黒魔道士は入っていく。
いまだ、と言わんばかりに黒魔道士に気付かれないようにジタン達一行もその空間に入って行った。

ジタン達がその空間(村といったほうがいいのかもしれない)に入ると、そこにはたくさんの黒魔道士達がいた。
彼らはジタンの姿を見ると…?
「!!」
「ひゃっ!!」
「に、に、に……」
「人間だーっっ!!」
彼らは慌てて自分達の家へと駆け込んでいった。
「あ、待って…! 今の人達、見たよね!」
「あ、ああ。確かにビビと同じ-」
「喋ってた! 喋ってたよね!ボクと同じような人達がいるんだ!」
驚愕するジタンに対し、ビビははしゃぎながら彼らを追って後へと行ってしまった。
後から歩いてきたダガーとフレイアとクイナがきた。
「あれ…ビビは?」
「向こうに行っちゃったけど…いったい何処に…っておーい!」
ジタンの言葉に何の反応も無く、ダガーは奥へと歩いていく。
「村があるのコト、美味しい物があるのコト。これ即ち同じアルね!」
同じくクイナも嬉しそうに村を蹂躙し始めた。
「まったく、どいつもこいつも…」
「とかいいつつ、ジタンもすぐに色々と見たい人なんじゃない?」
「ああ、そうだ。 っておまえは…」
「それよりもおじさんいるかなぁ~」

さて、村の中では黒魔道士達が慌てふためいていた。
「人間が来たよーっ!」
慌てて家の中に閉じこもる黒魔道士達。
それを見て、ビビはちょっと気を落とすが、更に奥へと走っていく。
「待って、ビビ!! この村は一体-」
ビビを追いかけようとするが、その前にダガーは何かを見つけたようだ。
そう、それはお店のような場所の奥の奥にいた…。


* * * * *

村の奥はなにやら何かを観覧する為の場所であった。
その場所に立ち尽くしているのは先程よりも冷静にビビを見つめている黒魔道士、そして一人の男であった。
「なにやら誰かが来たようだけど、君の知り合いかい?」
黒魔道士はその男に問いかけた。
「恐らくは。 が、誰かを連れてきたようだ。 私の知り合いはエルフだからな。 無論人間ではない」
「おじさん!!」
「来たようだ」
ぱたぱたとフレイアが走っていく。
「シガンおじさん! やっと会えた! あのねあのね、沢山話したいことがあるんだ!」
「そうか…。 では、向こうで用件を聞くとするか。 説教と共にな」
『説教』という言葉にフレイアは激しく反応をした。
「せ…説教って…」
「勿論だ。 私と共にいたと思ったらどこかへと村を離れたそうだからな。 「あまり私から離れるな」と散々言った後に」
「う…それも含めて話すよ~。 だから説教はやめてよ~」
そう言い、男―シガンとフレイアはその場を離れた。 

通り過ぎていくフレイアとシガンを見、ビビは「どうしたの? その人は?」と問いかけた。
「私のおじさん! やっと見つけたんだ」
「寧ろ逆だ。 こちらはどれ程お前を探していたのか…」
「ご…ごめんなさいってば!」
「でも見つかってよかったね…」
「うん! でも…。 あれ、ビビ?」
何も悩むことなく、ビビは先程シガンがいた場所へと歩いていってしまった。

「どうしたんだろう…ビビ。 何だか不安だよ…」
フレイアが不安がる隣でシガンは冷静にこう思っていた。
(そう思うのも仕方がない。 この村は…そしてビビという少年も…。
この村は機械の村。 そして機械達が集い、機械を作った人間達に見つからないように集った。
だが…それも時には負ける、か)
少し悲しげな顔でビビがいってしまった道を見つめるシガン。
「おじさん? どうしたの?」
いや、なにも とシガンは平常心で言った。

* * * * * *
 
「そうか・・・フレアが・・・」
フレイアの大体一通りの話を聞いたシガンは、ふぅ と溜息をついた。
「確かにフレアにしてみるとこの世界の環境は身体には似合わないかもしれないな」
「じゃあ、お姉ちゃんのところにいこう!」
「いや。まだフレアのところにいくわけにはいかない」
「でもでも! ガーディアンフォースが他惑星でチカラ使っちゃ-」
「それよりも『霧』というものに益々興味を持った。それにこの世界はアースのガーディアンフォースだけは特別だ。別に排除することもないし、ガイアにとっては利益そのものだろう」
「えー・・・じゃあ、このまま探索続けるの?」
「そうだ」
「珍しいよね、おじさんがお姉ちゃん放っておくの」
「放っておく訳ではない。『霧』というものを調査しに行くだけだ。それにジタンとやらが言っていたことが真実ならばこの世界には何かしらの因縁がありそうだな・・・実に興味深い」
いつものごとくあれこれ考えるシガンに対してフレイアは深い深い溜息をついた。
これだからおじさんは・・・。
「はいはい分かりましたよ。もう私は寝るよ、おやすみ」
そう言い、フレイアは少し固めの布団に包まり眠ることにした。
シガンはふと向かいの住人をすこし見物していることにした。 
そう。ダガーとジタンを。

「ねえ、ジタン・・・ビビが出て行っちゃったけど・・・」
「気を利かせたんじゃないか?あいつもなかなか分かってきた・・・」
この村に来てからビビの様子がおかしいのは確実。だからこそ、ダガーは不安がっていた。
そんなダガーにジタンは、「そんなに心配しなくてもいいさ」と言う。
「あいつにだってあいつなりの考えがあるのさ。今まで一度だって・・・自分と同じような、それでいてまともに話せるような仲間にビビは、あった事がないんだぞ?」
「でももし…そんな仲間に酷い事を言われたり、苛められたりしたら?」
「そんな事を気にして仲間を作る奴があるか?そんな事を気にしてる奴を仲間と呼べるか?それに、もしかしたら、あいつも見つけられるかもしれないし・・・」
その言葉にきょとんとした顔でダガーは「見つける?何を?」と問いかけた。
「いつか帰るところ」
その言葉にぴくりとしたのはダガーだけではなかった。シガンはその言葉だけでフレアを少しだけ想った。
「いつか帰る・・・ところ?・・・ジタン、その、いつか帰るところって……」
「どうした? 眠れないのか? 何か昔話でもしてやろうか?そうだな・・・昔々、自分が何処で生まれたのか・・・そう、自分の故郷が何処なのか知らない男がいました
「・・・ジタン?」
その男は子供の頃から、自分の故郷を探したいと思っていました。自分の生まれた場所、自分の記憶の中だけの・・・
「どうして?」
「ただ知りたかったんじゃないかな? 親の顔、生まれた家に自分についてまで・・・。
そしてある日その男は、育ての親の元を離れて故郷を探す旅に出る事にしました。
自分の記憶の中に微かに眠る、青い光を探して・・・

「青い光・・・」
シガンがそう呟いたのを見て、ジタンは「知ってるのか?」という顔をした。
「いや・・・断言できないな。どんなものか、どんな状況すらも分からない」
「でも、それだけがその男の故郷の思い出だったんだよ。多分海じゃないかと-」
「その故郷は見つかったのか?」
「おいおいおい・・・あんたもせっかちだなぁ。さらには他人の話題まで入ってきて」
なにかイラっと来たのか「ならば外でするんだな」と因縁をつけた。
「・・・まあいっか。結局さ、見つからなかったんだよ。そりゃそうさ、手掛かりなんて光の色だけなんだから。それで男は戻ったのさ、育ての親の元へ。そうしたらその育ての親、どうしたと思う?
「優しく迎えてくれた?」
「まさか! その男の育ての親は拳振り上げて殴ったんだ、その男の事を
「どうして?」
「さあな。でももっとビックリしたのはその後さ。その育ての親は、殴り終わった後、ニカッと笑ったんだ。信じられるか? その男を殴った後にだぞ?
・・・でもな、その男はなぜかその笑顔を見て思ったんだよ。ああ、ここが俺の『いつか帰るところ』だ、って。
今でもその男は故郷を探してるが、その男には『いつか帰るところ』がある。
だからビビも同じさ」
「ビビはこの村に残るのかしら」
「さぁな。それはビビの決める事さ」

それらの言葉を聞いてシガンは瞳を閉じていた。
(故郷・・・か・・・)
消え去ってしまった父母姉・・・。そんな悲しみの中、神獣に心を利用され 己の力の解放だけで一瞬で太陽を凍らせた。 もうそこは今でも己の故郷ではない。
だがアースに己の『いつか帰るところ』をつくってくれたのは妻のシャシェと娘のフレアだ。

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ビビは墓場にやってきた。そこには288号が静かに佇んでいる。
まるでそこだけが時を止めているかのような・・・。
「やあ、また来たんだね?」
「あの・・・聞きたい事があって・・・」
「何だい?」
「えっと・・・動かなくなっちゃった人は・・・何人になったのか・・・」
もごもごと言うビビに対してふっと微笑んでいる・・・ような気がする。
「無理して僕らに合わせて言葉を選んでくれるんだね?君は分かってるようだ・・・生きるって言葉、そして死ぬって言葉も。・・・そう『とまってしまった』のではなく『死んでしまった』仲間達のこと・・・」
くるりと振り返り、288号は「お墓」を見つめる。
「もう7人になるよ、止まってしまった仲間は。多分僕らにはね・・・限られたときしか与えられていない。初めて仲間がひとり動かなくなった時、僕はもしかしたら と思ったんだ。まぁ、差はあるけども作られてからおおよそ1年で・・・僕らは止まってしまうらしい」
戸惑うビビに対して、ふぅ と溜息をつく288号。
「他の皆には言ってないよ。言ったら、僕と同じに気持ちになる」
「同じ・・・気持ち?」
「多分、怖いって気持ち。止まってしまうのは嫌だって気持ち。逃げ出したいって思う。でもね、僕らはこの村に来て物を作ったり皆で過ごしたり、チョコボを育てたり・・・それが嬉しいんだ、何よりもね。
怖いけど・・・この村に仲間たちと一緒にいられる時間が嬉しいんだ。君もそうじゃないのかい?彼らと旅をすることで生きてる、って事の意味が分かりかけてきた。だから・・・」
「ボクは・・・」
ビビはそこで言葉が詰まってしまう。
自分はここで黒魔道士達と一緒にここで最期の瞬間までいるか、それとも・・・。

* * * * * *

翌朝、ジタンとダガー、それにフレイアとシガンは村を出ることにした。
「えっとシガンさんですよね・・・。フレアさん放っておいて大丈夫なのですか?」
「あの子の隣にはリーズがいるのなら、当分の間は大丈夫だ。ただ、あの子の場合は悪化する恐れもあるのだが・・・」
「もしかすると『霧』が原因かもしれないってこと?」
「と、思ってるが分からないな。 どんな成分で創られているか見なければならない。それに・・・少しだけ調査をしたい場所がある」
「調査をしたい場所?」
「ああ、コンデヤ・パタで出入りを制限されている場所・・・『聖地』。 黒魔道士達が大陸の北西・・・『聖地』で銀色の竜を見かけたらしい」
「そうなんですか!?」
「クジャと名乗るものがそこに『霧』を送る源があると言っていたらしいが・・・クジャという奴はお前達の知り合いか何かか?」
「知り合いじゃないです・・・。でもきっとそこに行けば、手掛かりがあると思います・・・。そうすればお母様も・・・」
「そうだな、行ってみるか」
ジタンがそう言うが、一人足りないような気がする。
「あれ? そういえばビビは?」
「あいつは、残-」
残るのではないか、とジタンが言おうとした刹那。ビビが必死に「待ってー!」と言いながら走ってきた。
「この村の皆にね、頼まれたんだ。もっと自分達の代わりに外を見てきて欲しい。それでまた色々教えて欲しいって」
「ちっ、何だ。せっかくダガーと二人きりに-」
「なれなかったね、ジタン」
とジタンの隣で悪魔っぽい笑みを浮かべているフレイアがいた。
「何言ってるアルか。ワタシこんなとこに置いてかれたら飢え死にしてしまうアルね」
いつの間にか、クイナもジタンの隣にいた。
「そういやお前もいたんだっけ・・・」
「なんか悪いアルか?」
「いや、なんでもない。なんでもないよ」
「それじゃあ、行きましょ! コンデヤ・パタへ!そして、その先の『聖地』へ!」 
6人はコンデヤ・パタへとわいわいと戻っていくのであった。

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