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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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「何でこんなところに閉じ込められなきゃならないのよ! ここから出してよ~!」
小さいながらも見事な地団駄を踏んでいる少女は叫んだ。
そのお隣でのんびりと座って冷静にそれを見ている少女。
「ちょっと! なに見てるのよ! 見てるなら、もうちょっとレディに対してクジャって奴に何か言ってやってよね!」
「そんな事言われてもねぇ…。 相手が聞いてなかったらどうするの? こんな所で消費するより、もっと別の所で消費した方がいいと思うよ」
冷静な解析をするフレイアに対し、はぁ と必死に叫んでいたエーコはうなだれた。
「ジタン達、大丈夫かなぁ…」



そこにクジャの声が聞こえてきた。
『君達の為に用意したスイートルームの居心地はいかがかな?』
その声に対し、フレイアは立ち上がった。
『ジタン達は今、君達の命の為に僕の言うことを聞いてくれてるんだ。 でも、僕は人との約束を守るのが嫌いでね…。 おまけにジワジワと人をいたぶるのが大好きなんだよ。
そこで、君達に素晴しいプレゼントをしたいんだ。
この僕の美しい宮殿の中に立派な砂時計があって、その砂が減るにつれて君たちがいる部屋の床が開くという仕掛けになってるんだ。
砂時計をさかさまにするだけで君たちは助かるんだけど…ジタンがそれまでに戻ってきて助けてくれるといいねぇ。
さて、君達の命も後10分少々か…。 まぁ、それまでにジタンという救世主が現れることを祈るがいい。 さようなら、愛しいほど愚かな者達よ』
長い長い一人芝居の後に響く愚者の高笑いに、カエルのシドは拳を握り締めた(ようにみえた)。
「クジャの奴め! よっしゃ、ここでワシがやらねば誰がやるケロ!」
通路を真っ直ぐ突っ切っていくと、黒魔道士達の小声が聞こえてきた。
「ねぇ、砂時計回して、鍵かけてこいって言われたからその通りにしただけだけど…。 僕らのしてる事って悪いことだよね?」
「でも動かなくなっちゃうのとこれとは別だと思わない?」
その声に対し、黒魔道士達は沈黙した。
「兎に角戻ろう」
「またあの仕掛けを解いていくの? 僕まだ分からないんだけど…」
「基本的にさ、全部つければ大丈夫だよ。 難しく考えすぎなんじゃない?」
そうして黒魔道士達は宮殿の奥へと消えていった。
それを聞いていたシドは頭をフル回転させたが、あれらを追いかけている場合じゃないと察知した。
シドは先程の黒魔道士達が出てきた部屋に行くと、壁にかけてある鍵と砂時計と変な生物がいた。
(あの鍵がさっき言っていた鍵に違いない筈ケロ…。 ただ、あの化け物がこっちを見ている間は動かない方がいいケロ…。 ビ…ビビってるわけじゃないケロ! 冷静な判断で決めただけケロ!)
自らの心でノリツッコミをしてから改めて化け物を見る。
化け物はジロリとカエルを睨みつけているが、動かなければ人形と思っているらしく、そっぽを向いた。
その間にかけてある鍵を手に入れ、砂時計を逆さまにした。

シドの活躍により徐々に部屋から出てくる人影。
「ありがとう、シドの伯父様! 本当に死んじゃうかと思ったわ! 皆も無事で何よりね!」
「とはいっても、ここからどうやって脱出するかを考えないと」
心の臓を押さえているエーコに、冷静にフレイアが言った。
「そうじゃな。 ここからが大変じゃ」
「ですな」
「う…うん…」
エーコとフレイアとは別の部屋にいたフレイヤとスタイナーとビビは、そう頷いた。
一汗かいたシドは「さっきここを通った黒魔道士の話によると、この先には何か仕掛けがあるらしいケロ。 『基本的には全部つければ大丈夫』と言っておったが…」と言った。
「ジタン達が戻ってくるまでに何とかエーコ達だけでここから脱出しなきゃ!」
「そうだね!」
一同は頷き、唯一残る魔法陣を踏んだ。

宮殿のようなクジャの隠れ家はただただ静まり返り、寂しく思うように少し照明が暗い。
「なんか…暗くてジメジメしていて、洞窟みたいで趣味が悪いわね!」
いつものエーコの我儘が始まった、と思ったフレイアは、ふとそこにあった蝋燭に小さな灯火をつけた、が。
「ん…?」
フレイアの耳がぴくりと動いた。
そんなフレイアの異変に気付いたのか、ビビは「…どうしたの?」と振り向いた。
「うん、あのね、この蝋燭少し変なんだ」
「変…とは?」
蝋燭に灯った火はゆらゆらと動く。
「ほら、色が青紫色でしょ? 私の炎は黄色を帯びた赤が普通なの。 だから、これがシドさんが言っていた『全部灯ければいい』という奴じゃないかって。
多分これ全部つけないと出口までいっても開かなかったりするトラップがあったりするかも」
「そうしたら時間がなくなってしまいますぞ!」
「多分、クジャは脱出不可能にする為にわざとこういった仕掛けをしたのじゃろうな」
「ホント、シド伯父さん様々だね」
「ホント、ありがとうございます」
二人の小さな召喚士に感謝され、カエルは顔が赤めいた(と思った)。

果たしてこれが何本目だったのか。
宮殿中の蝋燭に灯火をつけながら奥へ進んでいくと、突然甲高い音が周囲を包み込んだ。
『防衛システムニ反応アリ! 侵入者ヲ発見シマシタ! コレヨリ、侵入者ヲ排除スルタメ、監視モードカラ、攻撃モードニ変更シマス!』
「な、何なの? クジャの声じゃないわ!」
驚く一行だがそこには何もいない。
だが、甲高いビービーという嫌らしい音は鳴り止むのをやめない。
「隠れてないで出てきなさい!」
フレイアの声に反応したのか、それは出てきた。
それは盾のような壁のような、機械のようなものが出てきた。
「何よ、これ…」
「まぁ機械のようなものじゃのう…」
「しかしでかい…。 これにどう対抗すればいいのか」
「兎に角、機械だから雷系に弱いと―」
言っている間に、雷―サンダラがそこら中に落ちていく。
「思うから、雷系で攻撃するのが得策だとして…」
「そうしたら…あの機械なるものは充電されてしまうのではないか?!」
「その為に、私が今から召喚するからちょっと待ってて…ね!」
「あい分かった…! ビビ殿、魔法剣の補助を」
「う…うん!」
激しい雷の中、対抗策を話した一行は一斉に壁のような機械に向かっていく。
その間に、フレイアは召喚の準備をする。

フレイアの召喚は特殊だ。
空間を壊さぬように、召喚される神の力量を調整し、尚且つ、その神に支障を利かさぬようにする。
それが出来ると、この世界の大地とリンクをしなければならない。
それを一瞬の内に出来あげると、茶気けた小さな結晶を空に向かって放り投げた。
『大地よ、その振動を鳴らず、岩石となりて我の前に現れり。 されば全ての大地を捧げ、汝の空腹を満たそう』
フレイアがそう詠唱すると、宮殿の壁が崩れ落ちた。
そして、それは形となって現れた。
『地蛇、スウォール=ウェルジェルア!』
名前のとおりに巨大な蛇となった岩々から眼が覗いた。
【呼んだか?】
「ごめんね、スウォール。 お休み中に」
【別に良いが、何もせず とはどういう意味だ?】
「それは周囲を見れば分かると思うよ…」
大地の蛇は言われたとおりに周囲を見る。
人間の一部屋というのに雷が鳴りやまない、そして必死に壁のようなものを打ち砕かんとするゴミのようなヒト…。
【成る程…。 俺は避雷針扱いということか…?】
神様なのに扱いが非常に雑だったのが駄目だったのか、大蛇の声に怒りがこもる。
「いや…そんなんじゃ…」
【フレイア、『縛り』を解除しろ】
「駄目だって! そんなことをしたら、この空間が」
【五月蝿い、氷樹の王の餓鬼が! これは俺からの命令だ!! 俺の命令は絶対だ!】
「はうう…」
珍しくびくびくするフレイアは一つだけ『縛り』を解除した。
それは少しでもチカラを発動しないという『縛り』。
すると、大蛇の岩だけだった身体からずるりとするどい鎌が3つもあるような手が現れた。
そして空間中の雷を取り込み始めた。
それは攻撃していたビビの魔法をも、だ。
そうして雷を取り込んだ大蛇は咆哮をあげる。
まるで世界中の雷が一つの場所に集中して落ちたかのように。
刹那、敵の機械の部位に巨大な岩がめり込んだ。
それは一つだけではない、何個も何十個も。
異常な重みでぐらぐらしている機械に大蛇はとどめと言わんばかりに鋭い爪ではじき落とした。
地の底まで落とされて見えないが、『ぼ…防衛…停止…シマ…』という微かな音が聞こえた。
ふん、と大蛇は鼻息を立てた。
【どうだ、クズ共。 俺にかかれば一瞬で大破できるのだぞ。 だが…】
そこにいる小さな召喚士―フレイアに顔を近づける。
【おい、餓鬼。 一体どうなっている? ここは氷樹の奴の世界だと思ったら、違うではないか! よりにもよってその部下の金色の野郎の世界か、ここは!】
「あ…まぁ…うん…」
フレイアの曖昧な口調がいちいち腹立たしいのか、咆哮をあげる。
【金色の奴は何をしている! 奴がやらないなら俺が―】
「そこまでにしましょうね、スウォール」
綺麗な音がそこに響いた。
それは普通の女性。なのだが、服がまるで召し使いのようなこの空間に似つかわしくない。
栗色の瞳と長い髪がさらさら動いている。そこには風が吹いてはいないのだが…。
【ティアラ…】
「やっぱり付いて来て良かったですね。 こうなることは私には分かってましたから」
【付いて来たのは分かっていたが…。 何故何も言わなかった?】
「貴方なら一瞬で決着するのは目に見えてるでしょう?」
その場にいる全員は、溜息をついた。
巨大な大蛇神をも、だ。
「では、帰りましょうか。 帰っておやすみの途中を楽しみましょう」
のんびりゆるりとした声で言ったティアラは、フレイアのほうへと振り向いた。
「私のスウォールはお役に立ちましたか? フレイアちゃん」
「まぁ…うん、役には立ちましたね…」
目の前にいる人に「乱暴な命令さえ除けば」とはさすがに言えない。
それを知っているか知らずか、非常に満足な顔をしたティアラは「では帰りますね」と言い、スウォールと共にその場から消えた。
足がすくんだのか、がくりとフレイアはその場で座り込んだ。
「だ…大丈夫? フレイア」
「まぁ…ね」
「今のは…なんだったでありますか?」
「始祖神、大地の蛇、スウォール=ウェルジェルアっていう、氷樹の主のライバル的存在」
「なのは分かったが、あの少女は…」
「彼女はティアラといって彼の媒体だよ」
「媒体…?」
「強大な神―始祖神は生まれた時から、世界を破滅させるチカラを常に持っているの。 それを少しずつ放出する為にはヒトの身体の方が適役だと考えた神は、その身体を求めて契約させた。
破滅のチカラを常に持っている始祖神がその身体ごとヒトに入れる事は出来ないし、入れたらヒトの身体の方が耐えられなくなって破裂してしまうからね」
「それが媒体なのじゃな?」
フレイヤの声に紅の少女は頷いた。
「それよりも! なんであんなに言われっぱなしだったの? フレイアは」
「そりゃあ勿論、スウォール神はティアラさんだけにしか心を許してないからねぇ…。 一応、リヴァエラ神の元で召喚の契約を施してもらったけど…」
「アンタも大変ね…」
フレイアは エーコにだけは同情してほしくないなぁ と、心の中で呟いた。

一行はそこから一つだけ輝いている魔法陣に乗った。
それが罠であることも知らずに…。

一方その頃。
「やっと戻ってきましたね…」
リーズは飛空艇から降りながら溜息をついた。
「早くあいつらを助けてやらないとな!」
同じく飛空艇を降りてくるジタンはそう言い、リーズと共にクジャの元へと向かおうと、指示された魔法陣に乗った。
が。
「なんだ…ここ…」
見たこともない広間に辿り着いた。
刹那、そこにクジャの声が聞こえてきた。
『良く戻ってきたね。 その階段を上がった先の部屋に僕は居るよ。 但し、ジタン、君一人で来るんだ』
クジャの声が途切れ、二人とも溜息をつく。
どう考えても罠に決まっている。
「ま、なんとかなるか…な?」
「貴方なら大丈夫でしょう。 頑張ってくださいね」
クジャの言うことを聞いたらどうなるか分かっているでしょうね という、リーズの微笑が怖いが「ああ…」と、生ぬるく返事をごまかしてジタンは一人で部屋へと入った。


「また会えて嬉しいよ、ジタン」
ゆるりとソファに寛ぐクジャをジタンは一睨みした。
「おやおや…とりつく島もないね…」
そこを覗いてごらん、とクジャに促されて、そこに映し出されたものを見た。
そこには捕らえられている仲間全員の姿があった。
「心配しなくても良いよ。 ちょっと眠ってもらってるだけさ。 さあ、グルグストーンを渡してもらおうか」
「この野郎…何処まで卑怯な奴なんだ!」
ありそうな言葉を吐き捨てるジタンに対し、クジャは鼻で笑う。
「そんな言葉は聞き飽きたよ。 さあ、渡すのか渡さないのかどっちにするんだい? それにどちらにしても、それの用途だって知らないんだ。 渡すのが得策って奴だろう?」
最もな意見にジタンは苦い顔をした。

刹那。
画面が文字通り、揺れた。
風のようなもので仲間を巻き取り、映像の外へと出るように…否、部屋の中へと竜巻が乱入してきた。
その巨大な竜巻にその場にいたジタンとクジャは「くっ」と退いた。
次第に風が止むと、そこには仲間全員の姿があった。
「なんとか救出できましたよ、ジタン」
にこやかなリーズの姿がそこにあった。
「ふん、これはちょっと計算外だね。 でも、これで勝負が決まったわけじゃない」
「ええ。 勝負とかどうでもいいのですが、フレイアさんをどこにやりました?」
そう。そこにはフレイアの姿がない。
リーズの珍しい真剣な発言に、クジャはにやりと悪い笑みを浮かべた。
「本当は、残った余計な奴らを抹殺して、グルグストーンを君から奪ったら、全部処分してしまうつもりだったが…。 まぁ、いいさ。 とりあえず彼女とグルグストーンは頂く!」
ふわりと、飛んで魔法陣に乗ったクジャは「またいつか会えるといいねぇ」と言葉を発して消え去った。
慌ててジタン達も追いかけようと魔法陣に乗る、が。全く反応しない。
「さっきの船まで行きましょう、ジタン」
「ああ!」
急いで飛空艇の所まで駆け抜けた。
だが、既に遅し。飛空艇は鋭い音を奏でて飛び去った後だった。
「畜生! 逃げられちまったか!」
「ジタン、ブルーナルシスで追いかければまだまだ行ける距離じゃケロよ!」
「言われなくたってそのつもりさ!」

大空を飛空艇が舞って行く、その飛行機雲を大高速でブルーナルシスが追っていく。
その先には雪が舞っている閉ざされた小さな大陸へと向かっているようで。
山頂付近に何か建物があるらしく、そこに飛空艇は止まったようだ。
「一体あの先に、何があるというのじゃ…」
フレイヤの言葉にジタンは うーん、と考える。
「あいつが何考えてるのかなんて分かりたくもないが。 それにしてもどうしてフレイアを?」
「良くは分からんケロも…あのお穣ちゃんも召喚獣を使うケロよな?」
ジタンは「そうだけど…」と言い、ぴんと何か来て、リーズを見つめた。
「恐らく、始祖神や星の民の召喚が狙いでしょうねぇ…」
「じゃあそれが召喚されたら…一体どうなるんだ?」
「もしかして、また氷樹の主みたいに凍ったりしちゃうの?」
「それはないと思います…。 ですが、問題があるとしたら…非人間的な始祖神達が召喚された場合ですね…」
非人間。リーズのその言葉にスタイナーは「スウォールっていう神の事でありますか!?」と言った。
スウォールという名に、がくりとリーズは肩を落とす。
「い…いつの間に、そんな危険物そのものをフレイアさんは呼び出したのですか…」
「でもあんなのを無理に呼び出したら、大変じゃない!」
「ええ。 さらにこの世界の事を知っているのはリヴァエラ神くらいなので、下手したらこのガイア神とのチカラ押しでチカラが暴発して、多大な影響を受けることにもなりかねないのですよ」
どちらにせよ、早くフレイアを救出せねば。
そう考え、ジタン達は船を下り、雪原の大地へと足を踏み入れたのだった。

 

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