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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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西へ西へと進路を取る飛空艇は、やがて忘れ去られた大陸へと到着する。
ジタンとリーズは飛空艇から降りると、クジャに言われたとおりに南へと足を運ぶことにした。
何時着くか分からない道のりを、二人でぽつりと歩いていく。
ふと何かを思いついて、ジタンは「なぁ…」と、リーズに問いかけた。
「魔法が使えない場所ってクジャが言っていたが、それの対処ってどうするんだ?」
「そうですねぇ…。 色々と考えてましたが…」
「って、対処出来るのかよ」
「ええ。 通常の魔法なら使えないですけど、魔力が使えないわけではないと思いますよ。 だから第一に魔力の塊を形に変える。 それが無理なら、武器による追加効果を確実に放たせる。 
私の杖は昔、お世話になった人達から頂いたもので、魔法使用不可がかかってもいいように、強力な攻撃魔法を沢山付属しています。 なので、振りかぶれば…」
「ふ…振りかぶれば?」
刹那、暴風がジタンを襲った。
「うわぁ!」
思わず身をたじろくジタンに対し、にこやかに悪魔のような笑みをしているリーズ。
「なかなか面白いでしょう? この杖。 沢山付属してくれたお陰でランダム性があり、振りかぶる毎に楽しみが増えます」
そんな楽しみが増えるなんて嫌だ、とジタンは率直に言いたかったが、いつもより悪戯心が際立っている緑の堕天使には言えるはずもない。
ただ、心の中で泣くしかないジタンなのであった。

 

 

 


禁断の地、ウイユヴェール。
峡谷の奥に密かにあったその遺跡は、奥に巨大な建築物を守るように巨大な門で閉ざしていた。
「ここが入口…みたいだな。 こんなでっかい門なんて開けられる訳ないぜ…」
「『開けゴマ!』って言ったら案外開きそうですけどねぇ」
リーズが冗談で言った刹那。
突然、門が開き出した。
「…何だか分からないけど、中に入れって事か?」
「そのようですね」
「お招きに与って光栄だぜ」
そう言いながら、二人は中へと入っていった。
昔の装飾品の数々は、人の手がなかった経歴を語っているかのように、埃かぶっている。
突然、目の前に巨大な球体のものが浮かんでおり、何やら文字らしきものがそこに浮かび上がった。
「なんだ…これ…。 『母なる…テラ』?」
首を傾げながらジタンは、「うーん…読めないなぁ」と言い放つ。
それを苦笑しながらリーズは「あらあら、読めてるじゃないですか」と、惚けているジタンに対して言う。
「いやぁ…。 読める、というよりは文字が語りかけてくるような感じなんだよなぁ。 自分でも不思議な感じだぜ。 というか、リーズは読めないのか?」
「珍しく解読不可能ですねぇ。 お勉強不足ですね」
そう言い、リーズは奥へと入っていく。
奥には台座がいくつもあり、スイッチのようなものが所々にある。
リーズは適当にそれを押してみた。
すると、台座が反応したのか、何やら飛空艇らしきものが浮かび出される。
「『…古代の船…。 歴史上…最も古いモノ…』、か」
「こちらは戦闘用の船みたいですね」
「それは造船技術が低かったみたいだ。 こちらは戦闘艇インビンシブルっていう試作型らしい」
「これらは昔の飛空艇技術を残していたものらしいですね。 なかなか面白い施設ですね、ここは。 とても勉強になります」
リーズはまるで子供が博物館を観覧するかのように、目を輝かせている。
そうして別の所で水晶玉に手を伸ばした。
刹那、空間に映像が映し出される。
「『都市の…始まり…。 栄えた頃…。 繁栄しすぎた…枯渇…衰退…。 最盛期…テラの各地…点在した都市…衰退…』」
「何処かの都市が栄えて衰退していったってところですかね。 でもそんなところがこの世界にありましたかね…?」
「さあなぁ…。 この遺跡は一体どうなってるんだ?」
「色んな仕掛けが楽しくて仕方ないですね。 もっと奥に行って見ましょうか?」
きらきら目を輝かせている子供のような悪魔のような堕天使が言うのだ。
命令のような提案を尊重しながら、ジタン達は奥へと歩いていく。
そこには沢山の人の顔の造形が壁に埋め込まれている部屋だった。
「何だ…ここは?」
「気持ち悪いですねぇ。 もうちょっと美意識というものがないんですかねぇ」
その声に答えるかのように、突然その造形の一つが口を開き出した。
『来訪者よ…目の前に見える石に乗るが良い』と、それはジタン達の意識に直接話かけてきた。
ジタン達は言われたとおりに石に乗ると、石は静かに浮かび上がり、造形は語り始める。
『来訪者よ、心して聞くがよい。 これは我々の始まりの文明の記憶である。
そもそも種の衰退は、我々の問題ではなかった。 ありとあらゆる動植物、そして…が絶えていった。
全ては我らがテラの…こそが、引き金だった。 それを克服すべく…ありとあらゆる手段が検討され…。
最終的にはテラ文明の粋を集め…最初の試みは…の大陸で行なわれた…。
しかし、それは失敗に終わった…。
その後に…重要な要素が…で、あることが分かる。 四度の貴い犠牲を乗り越えた我々は…未来永劫の繁栄を掴み…自らに取り込んだ…。
…一部の動植物は蘇ったが…は未だに蘇らず、今後の成果が待たれる。
このテラの尊い歴史を語り継がんが為、我らは創造…された…』
十分語り終わったのか、石は再び元の場所に戻った。
リーズは何かを考えていたのか、「テラ…か…」と、小さい声で呟いた。
「どうした? リーズ」
「テラという一世界の事を…あのお方は知っているのかな、って思いまして」
「あのお方?」
「ええ。 この世界の主…金色の長とも呼ばれる人です」
「金色の…」
ジタンは、ふとイーファの樹に出現したあの綺麗な美女の事を思い出した。
全てにおいて金色に輝かんと言わんばかりの、シガンと楽しく隠語で話していたあの人である。
「俺、そいつ見たことあるぞ」
「あら。 貴方、いつ接触したのですか?」
「イーファの樹で、シガンと楽しく話していた時だ。 直接話した事はないが…」
「なら、隠す事もありませんね。 金色の長…この世界の主、ガイア神を」
「ガイア神…。 あの人がか…」
今でも覚えている。
あのルックス、カリスマ性のような印象。まるで、氷樹のリヴァエラ神のような…。
「ガイア神はリヴァエラ様の後輩的な立ち位置のお方。 この世界はやや小さいですが、かなり強力な『カラフルティア(色彩属)の始祖神』の一人です」
「…カラフル…?」
「通称色彩属。 白や黒、赤や青等、色を尊重する神々の事です。 リヴァエラ神は違って『エレメンタリア』という単属性を尊重する『始祖神』の一人ですね」
「凄いな…。 神々の世界って…そんな風に認識されているのか…」
「沢山発見されてますからね。 神様もお友達が沢山必要なのですよ」
「なんか…人間臭いな」
「それが『星の民』の良き所です」
そう言うと、リーズはジタンに「それにしても、どうしてジタンだけ文字が読めたりしたんですかね?」と問いかけてみた。
「俺だって知りたいさ。 それよりも今は仲間の命が懸かってるんだ。 とにかく、そっちを優先しよう」
ジタン達は来た道を引き返そうとする。
だが、目の前に何やら銅像のようなものが二つ程、道を塞ぐかのように佇んでいる。
「? さっき来た時は、こんなものなかったような…」
「ですよねぇ」
のほほんとしたジタン達に対し、二つの銅像はきらりと瞳を光らせて、目の前でその姿を変化させた。
その姿は…。
「お…俺?!」
「わ…私ですか?!」
鏡に映った己のように、見事にジタンとリーズに変貌していた銅像は、二つともにやりと笑みを浮かべた。
刹那、銅像が変化したリーズは跳躍し、本物のリーズに対し、杖を振り下げてきた。
慌てて、リーズはそれを受け止める。
「くっ…」
ジタンも、銅像に変化した己と盗賊剣を交えながら、舌打ちをする。
「リーズ…どうする?」
「逃げましょう。 ジタンならまだしも、私にまで変化されたらただじゃすみませんからね」
問いの答えに(…俺は問題ないのね…)と、心の中で考えながら「おうよ」と、一言返事をした。
先程とは違う道をただただ、走っていく本物の二人。
それをあざ笑うかのように、その偽者は笑みを浮かべながら追いかけてくる。
「くそう…。 一体クジャの言っている代物は何処にあるんだ!」
「もしかして…あれじゃないですか?」
そう言い、リーズが走りながら人差し指でさした先になにやら丸い小石のようなものが、台座に埋め込まれている。
そこに必死に駆け寄り、ジタンは一生懸命取り出そうとする。
だが、そこに偽者が追いついてしまった。
「万事休す、か…」
「いいえ、まだです」
諦めかけたジタンに、一言二言天使は言った。
天使…リーズは、空間を切る思いで、おもい切り杖を振りかぶらせた。
すると、偽者の身体がたちまち氷漬けになっていくではないか。
その時、ジタンが一生懸命とっていた丸い小石―グルグストーンはすぽんという音と共に、台座から抜けた。
「時間がありません! 早く!」
そう言うと、息切れをする程にジタンとリーズは必死に出入り口まで走る。
どん、と出入り口の扉をこじ開けると、すぐさま扉を閉める。
ひいひいぜえぜえと喘ぎながら、ジタンとリーズは息を呑んだ。
二人は、そろりと薄く扉を開けてみる。
そこには元の姿に戻り、佇んでいる二つの銅像があった。
まるでほくそ笑んでいるかのような銅像達に、ジタンとリーズは溜息をついた。

してやられた二人の男と女に対し、まるで自己主張しているかのように、ジタンの手に握られている小石はきらりと夕日に反射して輝いていた。


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