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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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「こっちこっち! ほら、急いで!!」
がたり と動き出した飛空挺に急いで飛び乗ろうとする一同だが・・。 

一番おどおどしていたのはダガーであった。
「大丈夫だって、ほら、もう飛んじまうから早く!」
「そんな事言われても・・・」
それはそうだ。
自分が逃げてきた所へと戻るのだから・・・。
「リンドブルムに連れて行くって、約束するよ!」
そういえば何とかなるような気がする。そう考え、はっきりとした口調でダガーに言う。
そんな考えとは知らないダガーは仕方なく、「・・・わかりました、乗ります」と言ったのであった。

 


何とか飛び乗った一行は 中に入っていく。
「ジタン・・僕先に入るね」
「おう!」
そう言ってビビは入っていったのだが。
「でっ!」
ビビが突然止まるものだからフレアが転びそうになった。
「どうした?ビビ-」
ビビの直ぐ奥には ビビにそっくりな者がいた。
いや、それは「者」よりも「物」といったほうがいいかもしれない。
「・・なんだこれ・・」
「驚いたな・・・ 動いてる。ダリの地下で作った人形を同じ人形が運んでいるのか」

(・・・これがあの猫が言っていた・・・)
フレアはビビに問い掛ける。
「ビビ・・・?」
「ううん。だって・・・ボクの事・・・見えてないみたい・・だから。何度も・・何度も・・話し掛けたけど・・・・・振り向いてくれないから」
苦しそうな言葉を少しずつ文章にしていくビビ。
それを聞いていたダガーはそんなビビをぎゅっと抱く。

「悪いけど、ちょっと上に行かなきゃならないんだ。
放っておくと城に着いちゃうからな・・・ビビを頼む ダガー」
「う・・うん・・」
「私も残りますんで大丈夫ですよ~」
上っていった二人を見届け、考える。
(一体誰がこんな事を?)

------

順調に目的地へと走っていく飛空挺。
しかし、その目的地はやはり・・・。

「順風である! ブラネ様もきっとお喜びいただけるであろう。
・・しかし、確かに離陸の時にあの盗人がいなければ姫様を置き去りにするところであった。
・・・ここはひとつ!
吊し首ではなく、終身刑を請願してやる事こそ真の騎士たる者の取るべき道であろう!
だがあれは、この船の乗組員が耳を貸さなかったからである。城に戻ったらば、素性を調べねば-」
「なにをごちゃごちゃいっているんだ?」ひょこっと顔を出したフレア。
それに驚いたのか、「どわっ」とひっくりかえるスタイナー。
「おいおい・・こんなんでビックリしてちゃ困るんだけど・・まぁいいか」
「・・・・フレア殿ではありませんか。一体何用で-」
といい終わる前に 船が一揺れ。
その原因は・・・フレアのみぞ知る。

「き、き、き、き。」
「どうかしたのか? 奇声なんか出しちゃって」 けろっと言うジタン。
今彼は目的地のルートをアレクサンドリアからリンドブルムへと変更したのである。
それ故に ジタンが手にしていたのは操縦機。
「きっさま~~~っ!! 許さんっ!!」
そう言って ジタンを掴みに掛かるが・・。
「あーあ・・・スタイナー・・何してるんだか」
ジタンは盗賊でもあるので 単純な行動のスタイナーをまるで慣れているかのようにかわした。
「・・・ん・・・??」
フレアが見たのは単純行動しかしていなかった黒魔道士達。
「おーいスタイナー どうやら怒らせちゃったみたいだ」
そう言ったフレアに対し、スタイナーは土下座をした。
「・・・申し訳ない! 今すぐこの男を静かにさせて元の進路に戻すので、待って頂けまいか?」
その言葉に反応したのか・・・否か。

突然黒魔道士達が船の先へと集まりだした。

ひょこっと看板へ顔を出すリーズとダガーとビビ。
「ふわぁ・・なんですか?」
見つめてくるのは 黒魔道士達。
しかし、その瞳に写っていた者は・・・!

ずどん という音が鳴り響いた。
それは雷だった。
しかし、 サンダラのようなものではない。
もっと強く・・もっと熱線が熱い・・・・・・サンダガ
リーズが咄嗟にバリアを張ったものの・・・。
「あ・・・ あ・・」
近くに落ちたのか放心状態に陥っているビビ。

「どんな奴が2号を倒したかと思えば、貴様のような小僧とはな!
この黒のワルツ3号の敵ではないわ!!カカカカカ!」
そうして詠唱を始める 黒のワルツ3号。
しかし、庇うかのように黒魔道士達は黒のワルツ3号に集まり始めた。
「・・気にいらん。何も考えられないただの作り物が一人前に小僧を守ろうというのか?」
そう呟き サンダガを繰り出した。

一斉に飛んでいく黒魔道士達。
もうそれは飛ぶよりも落ちるといったほうが過言である。
落ちていく人形にはまだ目の輝きがなく、ただ落ちるのみ。
そんな光景を黙って見つめるしかなかった ビビは・・・・・・・・。
「う・・わぁぁぁぁあぁぁ」
そう言って身体が光りだした。

ぴんと伸びた帽子。
キラリと光るローブ。
「・・これは・・トランスですね・・」
呟いたリーズからは 黒のワルツに対する殺気というものを感じた。



「ダガー!」
突然ジタンが声を発した。
「は、はい」
「黒のワルツは俺達が何とかする。それまで舵を支えてくれ。これから危険は増えるだろう。でも今なら、まだ戻れる!
このまま国境の南ゲートに進むか、舵を戻して城に帰るか、ここはダガーが自分で決めるんだ!!
どっちにしてもオレがついてる! 船をふらつかせないように頼んだぜ!」
そして・・ 「フレア、ダガーを・・」
「まかしとけって!」

「わたしは・・・」
悩んだが もう決まっている。
自分の目的・・自分がしなければならない事を一つにして・・。
「気をつけて、ジタン!!」
決意を秘めた瞳はただ単に敵へ向かっていくジタンを見つめていた。


Wブリザド!!!」
氷の粒が黒のワルツに降り注ぐ。
「ほう・・なかなかやるな・・ サンダガ
オルト!!」
リーズが放った光は黒のワルツへと飛んでいく。
「甘い!! ブレイズ!!」
桃色の渦がビビとリーズとスタイナーに攻撃を加える。
「わぁぁ!」
「これでおしまいだ!! サンダが-」
詠唱が終わる前に黒のワルツを一刀両断にする。
それはジタンだった。
一気に放った一撃は黒のワルツを死にしらしめる要因となった。
「ぐ・・・おのれ、オのれ、おのレェッ!我の存在理由ハ、勝ち続けル事のみ!!!」
そう言って逃げ出してしまった。

「・・・黒のナントカは何人いるのであるか!? キリがないのである!」
「今ので最後だと思いますよ?」
とリーズがさらり言う。
「何故そう言いきれるのでありますか!?」
「ワルツ・・テンポは4分の3拍子。だから3人だとおもいます。ほら いうじゃありませんか?行動するのは3度までって」
「は・・はぁ」
スタイナーとリーズが言い合っている間、ジタンは南ゲートがだんだん近づいてきているところを見た。
(・・・行くと決めたんだな!)

 

しかし現実はそう甘くは無かった。

「我の存在理由ハ勝ち続けル事のみ!!
我の存在理由ハ勝ち続けル事のみ!!
我の存在理由ハ勝ち続けル事のみ!!
我の存在理由ハ勝ち続けル事のみ……!!」

------
それは突然だった。 

「進路反転であります~っ!! 姫様!今すぐ舵を戻してください!!
 先の黒のワルツめが妙な飛空艇に乗って後方から迫ってくるのであります!
あれは、何をしでかすかわからん勢いでありますっ!!」
「ダガー、おっさんの言うとおりだ! アイツが迫ってきた!!全速前進で南ゲートに向かってくれ!!」
「いい加減な事を言いおって!ゲートが閉じたらどうするのだ!?」
「パワーだけのでっかい飛空艇が小回りの利く飛空艇をかわせるかよ!! あの3号を避けるのは無理だ!
だったら逃げ切る、閉じる前にくぐる! それに賭けよう!!おっさん! あのレバーで最大出力にしてくれ!!
ダガーは舵を今の位置で押さえてくれ!」
「はいっ!」
この出力なら迷わず行けばきっと間に合う!!

------
先ほどよりも狂った人形を見て、リーズはビビを促す。
「なんかきましたねー ビビ・・向こうへ行きましょう?」
「・・・・」
それでもビビは動かなかった。

落ちていった自分と同じもの。悲しくて苦しくて。

「ビビ・・気持ちはわかります・・でも今はそんな場合じゃありせんよ?
あの人形達の仇はフレアがしてくれますし・・ねっ」
「・・・・・・うん・・・!」
ビビは仕方なく、いそいそとダガー達の方へと向かっていった。

「よしじゃあやるか!!」
そうして詠唱を始めた。
「我の存在理由ハ勝ち続けル事のみ!!
我の存在理由ハ勝ち続-」
「うるせぇよ ただのブリキが」
そう言った後 繰り出す力。
我はいとおき力 我は風なる崩壊 我を見 我の存在を現にせよ!!   大一閃!!

 

そこはもう南ゲートの中だった。
そこが揺れたのは誰の所為でもない ただ一つの力が放った。
解き放った力は黒のワルツを破壊し、南ゲートに深い傷跡をつけた。
「・・・ちーと やり過ぎたかな・・」
フレアは呟いて後悔したが・・・後悔するのが少々遅かったようだ。

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