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これは氷の惑星アースと金の惑星ガイアの物語・・・。
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「ねぇ、だいじょ~ぶ?」 そう言ってきた見知らぬ女の子。
「 ハイ! 大切なチケット!じゃあねっ!」
そう言うと、女の子は男の子が落とした劇のチケットを拾ってあげると 彼女もまた城へ向かって走っていった。

アレクサンドリア・・・景色がとても綺麗で、このガイアの中ではもっとも美しい地。
煌く大地が旅人を誘うとも言われている。
そんな輝かしい場所から物語は始まる。


男の子が気を取り直して前に進もうとすると今度は後ろからネズミの子がぶつかってきた。
「イテッ! お前っ、邪魔なんだよっ!!!」 悪態をつけて走り去っていった。

それにしても今日はいろいろな人達が城を目指している・・そしてぶつかる。
やはり自分はそれぐらいチビなのか と改めて思う男の子。
横を見ると、ガイドが貴族達を案内している。
何故こんなにも今日は、貴族達がきているのだろうか。

それもそのはず、ここアレクサンドリアで大人気の劇団『タンタラス』が人気の劇を上演するとあって、貴族も庶民も皆こぞって城へと向かっているのである。
男の子は このチケットをどうすればいいのか と街の人に聞くと、
「 早速広場のチケットブースに立ち寄ってくるといいよ。そこでスタンプをもらわないとお城の中へは入れないからね」と言うことなので広場へと向かい、チケットブースを覗き込むとチケット屋のおじさんが話し掛けてきた。

「何かご用?」
「ん、んっと・・これ見たいんだけど」
と言い、男の子はチケットを取り出し、見せる。
しかし・・それは。
「おやぁ? そのチケットは何か変だねえ。こりゃ、偽物だな」

え~~~っ!??」と悲鳴のような声を上げる男の子。
 そのチケットをよく見ると、確かに『きみの子猫になりたい』という文字が書いてある。
がっくりと肩を落とす男の子。
「そんなにガッカリするなよ、気持ちはわかるけどさ……そうだ、これでもやるからさ、元気出しなよ!」
チケット屋から巷で流行っているカードを手渡された。
正直・・・取り替えてほしかった。

------

(・・・見たかったのになぁ・・・)
仕方がないので街中をうろうろとする。
裏通りで道端に石でもあったのか、躓いてしまった。
その脇では看板屋が看板を取り付けようとしていたがその振動で看板が外れてしまい・・。

 「あ! たぁ~っ、おめえがコケるから 外れちまったじゃねえか!! 」
「ご・・ごめんなさい・・」
男の子は外れた看板をなんとか直すと、看板屋は芝居を見るのか足早に去っていった・・・。

(それにしても今日はよく躓いたり・・転んだりするなぁ・・)
そう思いつつきょろきょろとしていると、向こうから先程ぶつかったネズミの子がやってくる。
辺りをキョロキョロと見回しながら、男の子の姿を見つけると
「おいっ、お前っ! さっき、持ってたチケットが偽物だって言われてただろ! 俺は、見てたんだぜ!」
「そ、そんな事ない。というか見ていたんだったらチケット頂戴!」
「嘘をつくなって! しかも俺もチケット持ってないし・・。・・・そうだ!俺の家来になれば、今日の芝居を見せてやる! 家来になるか!?」
芝居を見せてやる・・・ ということは、タダ見をするつもりらしい。
元々、純粋な性格の男の子は 嫌だ  と首を振ると、ネズミの子は
「そうか・・・じゃあな!」
そう言うと足早に去っていく。
その後姿は少々寂しさが残っていた。

「はぁ・・」 結局芝居は見れそうもない。
せっかくここまで来たのに・・。
そう思い、あの時のネズミの子の話を考えてみる。
(うーん・・・家来にならないと見れないし、あまり家来なんてなりたくないし・・・)
まぁそれは相手がネズミの子なのだから仕方が無いといえば仕方が無いのだが。

しかし、見たい。
そんな欲求の中、ネズミの子と再び出会うことになった。
そう、ネズミの子が待っていたのだ。
(やっぱりきたか・・)
そう思い自信満々に行ってみるネズミの子。
「家来になるか!?」
(しょがない・・でも見たいんだっ!!)
やむを得ず首を縦に振る男の子。
ネズミの子はそれを見て、少々満足げに男の子を命令した。
「よし! そうと決まったら、早速命令だ!お前! あっちから人が来ないか、見張ってろ!」

何をするのかわからないまま通りの端に行き、見張ってると

「誰も来ないか!?」         「誰か来そうな気がする。」
「本当か!? ちゃんと見ろよ! 誰も来ないか!?」
「うん、来ない。」     「よし! じゃあ、計画実行だ!!」

そう言うとネズミの子は先程看板屋が使っていた梯子を持って走っていく。
「遅れずについて来いよ! 尖塔の中に入るぞ!これからこの塔の上に登っから! お前、先に登ってみろ!つーか早く登れ!」

ネズミの子に急かされ、塔の上へと続く梯子を登ろうとする・・が。
 「お~い、早く登ってこいよ~!」
「・・・」
「???どうしたんだ?」
「ぼ・・僕・・高所恐怖症なんだ・・」
「・・・お前は家来なんだ・・俺の命令に従えよ。つーか これぐらい、大丈夫だろ?」
梯子の高さは男の子が思っていた高さよりも低かった。
「う・・うん・・何とか登れるよ・・」
「さあ! 急がないと、芝居が始まっちまうぜ!」
そう言うとネズミの子は尖塔から屋根伝いに走っていく。
流石ネズミと言っていえよう。
 男の子は恐る恐る足を踏み出し、何とか尖塔から屋根に渡してある板きれを渡り、屋根に辿り着くと、ヘタンと座り込んでしまった。
「おらおら、腰を抜かしてる暇はないぜっ!」
そう言うと先に進んでしまうが、男の子が後込みをしているのを見て
「またかよ・・・ 大丈夫だって!ビビんなよ、落ちないって!」

男の子は勇気を出して再び屋根と屋根を渡してある板きれを歩く。
が、辿り着いた途端、その板きれが落ちてしまった。
「ハハハ・・落ちたな。まあ、細かい事は気にするなって!」
ふと何かを思い出したようにそのネズミは男の子に対して、聞いてみた。
「お前の名前、まだ、聞いていなかったよな?」
「・・ビビ・・」
「そうか! ビビってゆうのか!ちょっと変わった名前だな・・・。俺は、パックっていうんだ。これからもヨロシクな!」
「うん・・!」

これからって、この仲はいつまでも続くつもりなのだろうか・・?

ようやく城に辿り着くと、パックは担いでいた梯子を渡して
「この壁を越えればもう、城の中だ! さあ、行こうぜ!」
と、2人は城の中へと駆け込んでいった。


------

フレアとリーズは城の目の前にいた。
もちろんしっかりとチケットを見せて だ。

「綺麗な所ですね~」
「・・・」
「タイムからチケットを盗んできて本当によかったです~・・・どうしたんですか?」
「いや・・落ち着かなくて」
そう言われればそうだ。
フレアは貴族系の者ではないし、こんな所は久しぶり・・・というか。
(緊張する・・・)
「別に庶民に紛れて見ればいいのではないですか?」
「だったらこういうパターンがあったりしたら?例えば私がお手洗いにいったりして-」
そんなことをいっている暇は無い といわんばかりに。
「じゃあ行きますか」
と そそくさと城の中に入っていった。
「ちょ・・!最後まで話聞いてよ!」
そう言ってフレアも城の中へと入っていったのである。

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